マウスピース

マウスピース

つるみ通り歯科クリニックの歯周病治療

ナイトガードについて

夜間の歯ぎしり・食いしばりに悩んでいる方にお勧めなのが、睡眠時専用のマウスピース(ナイトガード)です。ナイトガードはその名の通り、夜間の歯ぎしり・食いしばりから歯や顎を守るために使用されるものです。
夜間の歯ぎしりや食いしばりが続くことにより、以下の障害が起こりやすくなります。

・歯の磨耗、歯の破折、歯がしみる、噛むと痛いなど
・歯肉炎、歯周疾患、舌痛症など
・顎関節痛、開口障害、カックン音など
・顔面痛、頭痛、肩こり、腕のしびれ、腰痛、むちうち症状、倦怠感など

これらの障害が起きた場合に生活にもたらされる悪影響は非常に大きく、ナイトガードを使わない場合よりも治療費が高額になることも多いです。

一方でナイトガードは保険適用の治療として認められているのでご安心ください。
歯ぎしりや食いしばりを改善したい方は、ぜひ当医院にご相談ください。

ナイトガードの仕組み

顎の力を抜いて口を大きく開けた状態のとき、顎の筋肉はリラックスしています。徐々に顎を閉じていくのに合わせ筋肉に力が入っていき、歯と歯ががっちりと噛み合ったところで一番強い力が入ります。
ナイトガードを装着すると、ナイトガードの厚みの分だけ噛み合わせの位置が高くなり、リラックス状態に近づけることが出来ます。その結果、歯ぎしりや食いしばりの力を弱めることができると考えられています。

ナイトガードで得られる効果

歯にかかる負荷を軽減できる

歯ぎしりや食いしばりの際に歯にかかる負荷は、自分の体重の約二倍から五倍とされています。仮に体重が50キロなら100キロから250キロ、70キロなら140キロから350キロの力がかかっているのです。
食事の際の噛む力は一般的に10キロ程度と言われていますから、その何十倍もの力が眠っている間に顎や歯にかかり続けていることになります。それだけ強い力が持続的に続けば、歯は削れてしまいます。
ナイトガードを使用することで、歯ぎしりや食いしばりをしても、歯そのものの代わりにナイトガードが削れるだけで済みます。

かみ合わせのずれを調整できる

歯科医院で作成するナイトガードはオーダーメイドですので、患者様の本来の噛み合わせになるように形状を調整して作成します。そのためナイトガードには、噛み合わせの微妙なズレを調整し、諸々の症状を緩和する効果も期待できるのです。
かみ合わせは大人になってからも少しずつ変化していき、自覚することはほとんどできません。そのため気が付かない間にかみ合わせがずれているといった患者様も多いです。
噛み合わせに不具合が生じると、食事がしにくいだけでなく、ゆくゆくは体全体の歪みにつながります。

どのくらい歯ぎしりや食いしばりをしているかを目で確認できる

睡眠時に起こる歯ぎしりや食いしばりに自覚がある方は少ないのではないでしょうか。歯科医師から見て歯ぎしりや食いしばりの形跡があったときに問いかけを向けても、自分はしていないと答える患者様もいらっしゃいます。
強化プラスチックで作成したマウスガードは、歯ぎしり・食いしばりがあると少しずつ傷がつき、削れていきます。自覚症状がなくても、ナイトガードが目に見える証人となってくれます。

ナイトガードの素材

ナイトガードにはソフトタイプ(ゴム)とハードタイプ(レジン)の二種類があります。
ただし、当院ではソフトタイプのナイトガード作成を推奨していません。スポーツマウスピースに多いゴム製のソフトタイプは、耐久性不足で穴があいたりしやすいほか、やわらかいためにかえって食いしばりの力が強くなる恐れがあるからです。

当院が推奨しているハードタイプのナイトガードは、レジンを固めて作るものです。一定の硬さを持ちながらも歯よりは柔らかい素材を使うことで、歯ぎしりと食いしばりからしっかりと歯を守ることが出来ます。
また、ナイトガードについた傷を確認することで、歯ぎしりや食いしばりをしているかどうかの確認も可能です。

ナイトガードを使用する際の注意

使い始めの違和感について

就寝時にナイトガードを付ける際、使い始めは慣れずに眠りにくいという患者様もいらっしゃいます。また、普段とは違う位置で歯ぎしり・食いしばりをすることになるため、朝目覚めたときに顎の痛みやだるさを感じたり、少し口を開けて眠ってしまい、口の渇きを感じるといった方もいます。長くても二週間程度で慣れる方が多いようです。

取り扱いについて

当院でおすすめしているハードタイプのナイトガードの素材である強化プラスチックは、熱に弱いです。そのため、高温になる場所(夏場の車の中など)に放置してしまうと、変形してしまうおそれがあります。

衛生面について

ナイトガードは口の中に入れるため、衛生面が気にかかる方も多いのではないのでしょうか。前述したように熱に弱い素材のため、煮沸消毒はできません。かといって水で洗い流すだけでは菌が繁殖してしまうため、朝起きて取り外したら、義歯洗浄剤を用いて消毒する必要があります。

アフターケア

ナイトガードは歯ぎしりや食いしばりをするたびにかみ合わせが少しずつ変わっていきます。そのため噛み合わせに不具合が生じていないかを定期的に歯科医院でチェックする必要があります。
また、耐用年数には個人差があり、すり減って割れてしまったり、穴があくこともあります。歯ぎしりや食いしばりの症状がひどい人は、半年に一つ作っている方もいらっしゃいます。
修理は可能ですがやはり限界があるため、長くても二年から三年程度で作り直すことをお勧めしています。

スポーツマウスピースについて

スポーツマウスピースは、スポーツ中に起こる激しい衝撃や強い力から歯や顎へのダメージ、お口への外傷を防ぐためのマウスピースです。多くの場合、シリコン素材を用い、上の歯全体へ装着するタイプが主流です。
歯科医院で作製するマウスピースは、市販と違いしっかりと食いしばることが出来ます。しっかりと食いしばれることにより、身体のバランスが向上し、筋力向上が認められる場合もあります。

スポーツマウスピースのメリット

・スポーツ中に歯をぶつけた際に、折れたり欠けたりするような外傷を予防
・スポーツ中の食いしばりによる歯の過剰なすり減りを予防
・口の粘膜や舌をご自分の歯で傷つけるのを防ぐ
・顎関節や頭部へのダメージの緩和、脳震とうの予防
・運動パフォーマンスの向上

格闘技や激しくぶつかり合うことの多いコンタクトスポーツにおいては、使用が義務になっているほか、サッカーや野球でもスポーツマウスピースの使用が推奨されています。
また、現在では趣味でスポーツをしている人の間でも、怪我のリスクを軽減させるためにスポーツマウスピースを使用している方が増えています。ゴルフやスノーボードなどといったお口や歯に負担がかからなそうに見えるスポーツの場合でも、力を入れる際に無意識に歯や顎に大きな負担がかかっていることがあります。
当医院では、歯や顎にダメージをかけず、健康にスポーツを楽しむために、スポーツマウスピースの着用をおすすめします。

市販とオーダーメイドの違い

歯科医院で作るスポーツマウスピースは、患者様一人一人にぴったり合わせたオーダーメイドです。専用の機器を利用することで厚みや高さの微調整を施し、患者様の噛み合わせにぴったりとフィットさせることが可能です。競技の種類や患者様のお口にあわせて作成するためお口や顎を保護できるほか、しっかりと食いしばれることにより筋力アップも期待できます。

一方で市販のものは汎用的な形となるため、外れたりずれたりすることがあります。スポーツに集中する妨げになるほか、しっかりと食いしばることもできないため、顎の関節を悪くしてしまうこともあります。

オーダーメイドのマウスピースに比べると、市販のマウスピースのお口の保護能力は約十分の一程度といわれています。しっかりとお口や顎を守るという安全面、パフォーマンスの向上という面でも歯科医院でオーダーメイドのスポーツマウスピースを選ばれることをおすすめします。

スポーツマウスピースの種類

シングルレイヤー

1枚(シングル)のシートで作製した標準的なマウスガードです。
特に混合歯列期(乳歯が残っている状態)のお子様は成長による歯列の変化に伴い、半年から一年に一度は新しく作り直す必要があるため、比較的安価なシングルレイヤーをお勧めしています。

【メリット】

・製作時間が短い
・費用が安い

【デメリット】

・厚さの調整が難しく、とくにマウスピースの前面部が薄くなりやすい

ダブルレイヤー

前歯の部分に2枚(ダブル)のシートを使用し、耐衝撃性を向上させたマウスガードです。格闘技などの場合は、怪我から身を守るため、ダブルレイヤー以上をお勧めします。

【メリット】

・シングルに比べて、厚さをコントロールしやすい

トリプルレイヤー

前歯の部分に3枚(トリプル)のシートを使用し、耐衝撃性を格段に向上させたマウスガードです。ボクシングなど、特に激しいコンタクトスポーツに最適です。

【メリット】

・競技に合わせ、厚さや厚くする場所を調節できる

ウェイト

奥歯の噛む部分にのみ2枚(ダブル)のシートを使用したマウスガードです。ウエイトリフティングなどのパワーアップを目的としたスポーツに最適です。最も瞬発力が発揮できるかみ合わせの高さには個人差がありますので、数種類の異なるかみ合わせのマウスガードを作製し、最も合った高さの物を本番でお使いいただくことをお勧めします。

【メリット】

・噛みしめ効果により、集中力・瞬発力がアップ
・競技中にかかる強い力から歯や顎関節を守る

フロントフリー

前歯の部分を無くし、奥歯だけに1枚のシートを使用したマウスガードです。こちらはコンタクトの無い競技が対象になります。

【メリット】

・前歯に当たる部分がないため、話しやすい
・呼吸がしやすい